2009年10月13日火曜日

電磁直通ブレーキ(SMEE)の実験(ECS-1改造コントローラ)

 今回の実験では電磁直通ブレーキを再現する。さらに、KATO(カトー)社製の運転台型コントローラであるECS-1をPWMコントローラに改造し、マイコンで制御を行う。都合上パネルは撤去し、マスコンハンドル、ブレーキハンドル、逆転スイッチのみを入力として扱いマイコンで処理し、モータドライバを使用してモータへの出力を行なっている。
 ここでは、前回までの直通ブレーキの実験()から徐々に発展しているが、特に空気の圧力を制御に取り入れる事で、ブレーキの挙動をより実車に近づけるための実験である。MR(Main Reservoir):元空気溜めとSAP(Straight Air Pipe):直通管の圧力の変化を数値として表現しているところが大きな特徴である。

 簡単にブレーキの構造を紹介する。まず、直通管は直接ブレーキシューを動作させる為の圧力管でこの圧力が高いとより強力にブレーキがかかる。また、元空気溜めはブレーキ動作に必要な圧力を溜めておくタンクの事である。通常はコンプレッサーの動作によって一定圧力が保たれる。では、動作を再現してみる。


①:ブレーキレバーを左へ回して直通管の圧力を解放し、ブレーキを解除(SAPの圧力に注目)
②:マスコンハンドルを力行に入れ列車を加速させる
③:マスコンハンドルを戻し、列車は惰行運転に入る。ちなみに、抑速は発電ブレーキのみが作動する。
④:ブレーキハンドルを右へ回し、直通管に圧力が送られ、列車に制動が掛かる。このとき、SAPに送った圧力分だけ、MRの圧力が下がる。しかし、コンプレッサーによって圧力が回復する。
⑤:ブレーキハンドルの位置に応じて制動力が変化する。ブレーキを解放すれば、列車は現在の速度で惰行する。
⑥:列車を完全に停止させる為に、ブレーキの圧力を上げる。しかし、実車ではショックが大きくなるので、ここの操作が上手下手の条件の一つとなる。


・仕様
入力部:KATO社製ECS-1改造コントローラ
CPU:ルネサステクノロジ社製SH2 7144F
出力制御:モータドライバIC「TA8428K」を使用したPWM出力制御
アルゴリズム:疑似サイリスタチョッパ制御、電磁直通空気ブレーキ

・使用車両:KATO製 阪急電鉄6300系(4両基本セット)内モータ車のみ
・使用線路:KATO製 ユニトラック線路(Nゲージ)

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