2010年5月29日土曜日

PWM電車運転コントローラBLHタイプver1.03(特注仕様)の製作

 やはりHOゲージを運転しようとしたとき1.0〜1.5Aでは物足りない場合もあると思う。また、同時に複数編成を走らせる場合や急勾配、室内灯を加えて行くと容量の限界は近くなる。そこで、以前より開発を行なっているBLHタイプの紹介である。

 BLHタイプは現行製作中のBLタイプの上位版という位置づけで、電流の容量や様々な機能を追加している。今回は特別に注文を受けたので製作を行なった。主な機能として3.2Aの出力容量、収録する駆動音を別つまみにて24種選択可能、加速率・減速率の調整、LCDにより駆動音種別の表示、出力・速度表示機能を搭載している。


 今回のBLHタイプver1.03にはLCD(液晶ディスプレイ)を搭載し、駆動音の種別、出力(%)、速度(時速)が表示される。速度は換算調整用のつまみを用いて、車両に応じて調整が可能である。

それでは、完成検査時の様子を紹介する。NゲージとHOゲージを同時に運転しているが、調整つまみによりNゲージに加速率や減速率を合わせているためHOゲージの挙動は多少おかしくなっている。



使用機器
「PWM電車運転コントローラBLHタイプver1.03」
主な仕様

出力回路:Power MOS-FET(フォトカプラにより駆動)
制御回路:AVR Mega644P
制御方式:PWM制御(疑似VVVFインバータ制御)
表示方式:LCDによる情報表示「車種、速度、出力」(バックライト付き)
運転方法:ロータリスイッチにより力行5段階、惰行、制動5段階、非常を操作
調整機構:常時点灯、加速率、減速率、速度計換算
使用電源:12V3.8AスイッチングACアダプタ
保護回路:アダプタによる過電流遮断及びポリスイッチによる過電流遮断(3.2Aで遮断)

2010年5月17日月曜日

自作PWMパワーパック「BL-SP」(スピーカー内蔵型)の試作完成

以前の記事にて紹介した試作品が完成したので紹介する。駆動音発生用スピーカーを内蔵した製品「BL-SP」である。鉄道模型の運転会や大きなレイアウト、店舗では辺りの雑音が大きく、模型の小さなモータから発生する駆動音では小さすぎて聞き取れない。そこで、駆動音だけをアンプによって増幅させ、スピーカによって音を発生させることにした。これによって、駆動音の小さな車両やモータでも十分な音量を出せる。しかし、コントローラから音が発生するので、本来の意味合いからは外れる。

<ここで紹介するコントローラは現在販売中の「PWM電車運転コントローラBLタイプver1.11」とは仕様が異なります。現行販売中の製品ではモータや車両無改造で音を発生させる機構ですので、静かな部屋ではモータ音が聞こえますが、ここで紹介する様な大きな音を出す事はできません。お間違いの無い様にお願いいたします。>

手前にスピーカを配置したため、音が出易い様に穴を開けている。

背面には音量調節用のボリュームを搭載し、音を絞ればモータからも励磁音や駆動音が確認できる。

それでは、まず、JR各社の駆動音を再現してみた。E233系3000番日立製、JR西日本321系東洋製、E501系シーメンス製、201系サイリスタチョッパ、E231系近郊型、209系(E217系)、EF210(EF510)。


続いて、私鉄各社の駆動音を再現する。京急新1000形ステンレス車体、京王7000系更新車、京都市交通局50系、近鉄9820系、近鉄21020系。



使用機器
「PWM電車運転コントローラBL-SPタイプver1.00(試作品)」

主要緒言
電源:12V1.5ACアダプタ、ただし出力は最大1.0A
出力:0~12V(デューティ比0~70%)、最大電流1.0A
出力コネクタ: KATOユニトラック互換
大きさ:135mm×75mm×49mm(突起物含まず)
保護回路:ACアダプタ内蔵の過電流遮断回路、基板上のポリスイッチによる過電流遮断(1.0Aで遮断)

2010年5月13日木曜日

PWM電車運転コントローラBLタイプにスピーカーを付けてみる(運転会、店舗、アピール用)

当方が製作しているPWM電車運転コントローラであるが、一番の売りは駆動音を再現できることである。これはモータ無改造で、コントローラの制御信号のみで、模型のモータから励磁音を発生させるもので、非常に明解で、実車通りであるとも言える。しかし、モータの中には励磁音が小さい物や聞こえないもの、また、運転会や店舗では回りの雑音にかき消されて、駆動音が聞こえない事も多い。そこで、音を大きく出すにはスピーカを付けるのが一番であると考え、試作をしてみた。本来の目的から逸脱している気もするが、音を売りにしているのに音が聞こえないのでは意味が無い。そういうことも踏まえて、実験を行った。

とりあえず、スピーカとアンプはモノラルで十分である。

<この試作品は音を増大させる為にアンプとスピーカを取り付けていいます。現在販売中のPWM電車運転コントローラBLタイプver1.11の仕様とは異なりますのでご注意下さい。>



はっきりと言ってしまうと、スピーカーから出る音はクリアすぎて、実車の音とはほど遠い気がする。と言っても乗った事が無いので、何とも言えないが、やはり、模型のモータからなる方が自然で、小さければ静かなところで耳を澄ますのも一興ではないかと思う。

2010年5月9日日曜日

走行音の追加製作「関西私鉄」PWM電車運転コントローラBLタイプver1.11

 今回は前回の記事に引き続き、駆動音を追加するため、プログラムの開発を行なう。追加したのは大阪市交通局66系、阪神9000系、阪急7300系、阪急8000(プログラム修正、改良版)、京阪7000系である。駆動音が関西よりなのは、私が関西在住である訳だが、実際に乗った事は無い。関東の私鉄車両の再現も行ないたいのだが、なんせ数が多いので、躊躇している。



ちなみに、ブログの右側(下の方)に駆動音の投票がある。この投票の結果によって、新しい駆動音を追加していく予定であるが、解析が難しいものや再現できないものもあるので、ご了承いただきたい。項目に無い物は追加で投票も出来るので、是非お気に入りの駆動音を投じていただきたい。

使用機器
PWM電車運転コントローラBLタイプver1.11

主要緒言
電源:12V1.5ACアダプタ付属、ただし出力は最大1.3A
出力:0~12V(デューティ比0~70%)、最大電流1.3A
出力コネクタ: KATOユニトラック互換
大きさ:135mm×75mm×49mm(突起物含まず)
保護回路:ACアダプタ内蔵の過電流遮断回路、基板上のポリスイッチによる過電流遮断(1.3Aで遮断)

販売情報
大阪の模型店「レールクラフト阿波座」もしくは直売サイト「こだわり電車運転台ストア」まで

2010年5月6日木曜日

自作したPWM電車運転コントローラBLタイプver1.11で駆動音を再現してみる

世の中には様々な駆動音を持つ電車が数多く存在している。特に普段乗る事の無い路線の電車の音には色々と発見や驚きがある。音階を奏でるもの、速度が上がるに応じて周波数が下がるものなど、特に私は電車に乗らないので興味津々である。

今回はVVVF車と共にチョッパ制御の駆動音を再現してみる。VVVF車はモータ音はもとより独特の励磁音が聞こえるが、チョッパ車は一定周波数の励磁音とモータ駆動音が特徴的である。特にチョッパ車は減速時に電制ブレーキが切れるのが早いので、停止直前には励磁音が途切れる。今回は阪急6000系チョッパ制御、京王7000系VVVF制御、東急8500系チョッパ制御を再現しているが、なかなか上手く再現できているかどうかは定かではない。




使用機器
PWM電車運転コントローラBLタイプver1.11

主要緒言
電源:12V1.5ACアダプタ付属、ただし出力は最大1.3A
出力:0~12V(デューティ比0~70%)、最大電流1.3A
出力コネクタ: KATOユニトラック互換
大きさ:135mm×75mm×49mm(突起物含まず)
保護回路:ACアダプタ内蔵の過電流遮断回路、基板上のポリスイッチによる過電流遮断(1.3Aで遮断)

販売情報
大阪の模型店「レールクラフト阿波座」もしくは直売サイト「こだわり電車運転台ストア」まで

2010年5月1日土曜日

PWM電車運転コントローラBLP-USBタイプver1.01の製作

 今回は以前の記事で紹介した試作品の製作記事である。量産に向けてプログラムの開発を進めているが、なかなか進んでいない。コントローラの概要はPCとUSBで接続し、内部の変数を変更する事で、駆動音を生成するものである。つまり、出力に応じて周波数の自由に変更できるものであり、VVVF制御と言っても間違いではないと思う。

私のコントローラは制御にマイコンを用いている。最近のマイコンにはEEPROMと言って、電源が切れても記憶が残るメモリが搭載されている。容量はそれほど多く無いが、周波数や出力のデータを記録する分には十分である。これによって、6種類の駆動音データを記録できる。走っている電車の駆動音を録音したり、ビデオから音声を抽出し、周波数解析ソフトで、周波数を割り出す事ができれば、簡単に駆動音を追加する事が可能となる。

PCとの接続はUSB-シリアル変換ICを使用しているので、ほとんどのPC(win,mac,linux)で使用可能となる。通信用のターミナルソフトを使用するので、フリーウェアでも使用可能となる。しかし、ドライバのインストールやシリアル通信の知識が多少は必要となる。

現在、販売の予定はない。そもそも需要があるのかどうか分からないので(汗)。また、駆動音のデータは基本的に公開予定で、ライセンスはフリーにする予定である。そうする事で、多くの人が作ったデータで、様々な電車の駆動音を再現できると考えている。