2011年7月17日日曜日

鉄道模型におけるDCモーターのBEMF(逆起電力)について

さて、唐突だが私の制作しているパワーパック、コントローラの中枢はマイコンである。マイコンにより、PWM制御の周波数やDUTY比を走行中に変更することにより、駆動音の発生や実車の様な滑らかな駆動を実現している。ただ、マイコンを使用しているのはあくまでもPWM発生のモジュールを使用しているだけであって、マイコンの性能的にはもったいない使い方かもしれない。そこで、今回からフィードバック制御について考察してみたい。先ずはDCモーターのBEMF(逆起電力)の話からである。
逆起電力については他のサイトに説明をお任せするとして、ここでは鉄道模型を中心に考えてみる。上図で少し見にくいが下の波形(黄色)はレールへの供給電圧を示している。数kHzの周波数なので、帯状に見えるが、実際にはON/OFFが高速で変化するPWM制御である。ただ、そこで、一定時間、波形が一定の部分がある。実はここで、レールへの電力供給を止め、逆起電力を計測している部分なのである。ちなみに、上部の赤い波形はローパスフィルタを介して、逆起電力を表したものである。

これはDUTY比(ONとOFFの時間比率)が40%の時のBEMFであるが、次の50%のものと比べていただきたい。

注目すべきは波形の最大高さである。この部分はモーターへの電力供給が停止しているので、モーターは慣性により回っている。つまり発電機となっている部分なので、よりモーターが高速に回転している場合には発電量が増え、この波形の最大高さが変化する。測定した回路上ではBEMFの発生により、波形の高さは下がる様になっている(測定回路の仕様による)。

これはDUTY比60%の時

これはDUTY比70%の時

以上の様に、DUTY比の変化、ついては模型の速度に応じてBEMFの変化が現れることが分かった。今後は計測回路の設計、フィードバック制御アルゴリズムの検討、実際に模型への応用などを考察して行きたい。

ご意見、ご感想があればお気軽にお問い合わせ下さい。またブログにて紹介しているコントローラの一部は店舗またはこだわり電車運転台ストアにて販売もしております。是非、ご検討ください。

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