2011年7月22日金曜日

鉄道模型用BEMFによるPIDフィードバック制御の実験(急勾配での走行性能)

さて、引き続きBEMF(モーターの逆起電力)を利用したパワーパックの試作である。前回はPI制御により、勾配の走行を検証してみた。今回はさらにプログラムを精査し、PID制御を取り入れ、またPIDのパラメータについても調整を行なった。

実験では、日本でも指折りの急勾配を登る箱根登山鉄道1000形ベルニナ号を使用する。レールはミニカーブレールを利用し、レールの土台ごと約10度に傾ける。これで、勾配173‰(1000mで173m登る)が再現出来る。とは言うものの、実際の箱根登山鉄道ではそんな急勾配は無いが(・・;)

PID制御の為のパラメータはかなり適当に決定した。特に反応を早めにしたかったので、I係数とD係数についてはかなり高めに設定されているのではないかと思う。ただ、模型の動きとしては許容範囲内に思える。


実験機器
・自作常時点灯機能付きPWMパワーパック(KATO スタンダードS改造)
・BEMFによるPIDフィードバック制御パワーパック
・TOMIX製箱根登山鉄道1000形ベルニナ号
・TOMIX製ミニカーブレール
・電源12V(スイッチングACアダプタを使用)

ご意見、ご感想があればお気軽にお問い合わせ下さい。またブログにて紹介しているコントローラの一部は店舗またはこだわり電車運転台ストアにて販売もしております。是非、ご検討ください。

2 件のコメント:

  1. こんにちは。
    この制御機能を応用すれば、実車の様に、下り勾配では徐々に加速、上り勾配では徐々に減速というリアルな動作も可能でしょうか??
    また、勾配上にてマスコンを「N」位置にすると転動する動作も制御機能の応用次第では出来ますか?

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  2. コメントありがとうございます。

    今回実験したのは、模型を一定速度に保つ為の制御です。模型において、勾配や急カーブなどでの速度変化を出来るだけ抑えるというのが目的です。実車の様な動きにに近づけたい場合にはリニア制御の通常のパワーパックが一番かもしれません。ちなみに、BEMFのセンシングと制御量の情報から、模型がどの程度の勾配を走行しているか、上り坂か下り坂かという判断は可能です。

    ブログで紹介している制御手法では転動動作は不可能です。転動の際に、モーターが一旦、停止してしまうと、BEMFが測定出来なくなり、現在の坂道の方向や勾配の状態が把握出来なくなってしまいます。もちろん、転動動作を限定して制御するシステムの構築は可能だと思います。ただし、紹介している制御とはまた違うアプローチが必要だと思います。

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