さて、前回紹介したBLP-MMCタイプはMMCカードに音源情報を収録したテキストファイルを書き込んでおけば、駆動音の入換えはもちろん、自ら駆動音を編集、追加できる。そこで、今回は音源情報ファイルの作り方を紹介したい。
ステップ①「駆動音情報ファイルの書き方」
上記のファイルは最も基本的な形式である。
最初の行の「T」はタイトルの意味で、次の「:」と「;」の間の文字がコントローラのLCD上に表示される文字数の制限は16文字までで、英数字や記号、半角カタカナが使用出来る。ただし、ひらがなや漢字、特殊文字は記入出来ない(エラーの原因となる。)
次の行から駆動音に関する情報を記述する。
行の最初の数字は出力を表す。かならず最初は「0」からはじめる。
「:」と「;」の間には周波数を指定する。ここでは「300」と書いたが、これはそのまま300Hzとなる。ちなみに周波数は50〜8000Hzまで指定できる。これ以外の数値を入力すると誤作動の原因となる。
駆動音を指示する行は
「出力:周波数;」
を一セットとして30個まで指定出来る。尚、出力は0〜50000までの間で、0なら出力は0%、50000なら100%となる。これ以外の数値を記入すると誤作動の原因となる。
周波数の指示行の最後は必ず出力「50000」と周波数を入力すること、そして、最後に「E:;」で締めくくる。
ちなみにこのファイルは201系のサイリスタチョッパ制御車の駆動音情報ファイルである。タイトルは「201」で、出力0〜50000の間は常に300Hzで出力を行なうという設定例である。
ステップ②「駆動音の解析」
録音または録画してきた電車の駆動音を音声ファイルととして抽出し解析ソフトでスペクトル表示させてみる。使ったのはフリーソフトの「sonic visualiser」で英語版のソフトだが、機能的には十分である。
ちなみにこれは某JRの最新車両の駆動音である。色が濃いところは音が大きいところなので、ここの周波数変化をファイルに記述して行けば良い。
例えば、出力が0%で300Hz、10%まで一定の周波数、20%までは600Hzに徐々に上昇そのあとは最後まで一定という記述をしたい場合は
0:300;
5000:300;
10000:600;
50000:600;
と言った具合である。
ステップ③「実験」
ファイルの記述が終われば、あとは実際に試してみる。だが、簡単には成功しないだろう。実際のモータからの音の聞こえ方、模型の動きと音のバランス、また車両やレイアウト、走行速度による違いなど、修正する箇所はどんどん出てくる。
そこで根気よく、繰り返し繰り返し、ファイルの修正を行い完成に近づけていく。こだわって行くとゴールは見えないが、
必要な機器
・PC(高ペックは全く必要ない、テキストファイルが編集出来れば無いので、ほとんどのPCが使用可能)
・MMCカード(もしくはSDカード、SDHCカードは使用不可、またフォーマットはFATにて行なう。ファイルの読み込みに失敗する可能性があるので、専用にメモリーカードを使用することが望ましい。ちなみにテキストファイルしか使わないので、8MBでも十分50種類程度は収録可能)
・カードリーダー(カードに対応したもの)
・BLP-MMCコントローラ
・レール、模型、場所、電源など
ご意見、ご感想があればお気軽にお問い合わせ下さい。またブログにて紹介しているコントローラの一部は店舗またはこだわり電車運転台ストアにて販売もしております。是非、ご検討ください。
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