2009年10月22日木曜日

Power MOS-FETで鉄道模型を動かしてみる

 今まで製作してきたコントローラのほとんどは市販のモータドライバICを使用している。これは単純に4つのトランジスターをHブリッジという構成で使用し、正転、逆転、ショートブレーキの動作を実現している。非常に使い易く、また、パッケージも小型で、熱遮断や過電流遮断と言った安全回路も内蔵されている。しかし、トランジスターにも欠点がある。それは電流値が増大すると、トランジスターが抵抗となり、熱となって消費されてしまう。そのため、1A程度の電流が必要な場合には必ず、ヒートシンクを取り付け、放熱には気をつけなければならない。
 一方、世の中にはPower MOS-FETと呼ばれる素子がある。詳細は割愛するが、これはトランジスターに変わる素子で、その大きな特徴は抵抗値が少ないという事である。つまり、ある程度の電流を流しても発熱が少なく、また、効率よくモータを回す事が可能となる。ただし、良い事ばかりではない。もし、FETがショートモードで崩壊した場合、つまるところショートするので、鉄道模型で使用する場合、脱線等によって、レール間がショートすると大電流が流れ、その時にFETが崩壊すると、FETが発火、また周辺回路も焼損してしまう。それを防ぐ為には、過電流保護回路や熱遮断回路は必須で、FETを的確に駆動する事が必要となる。

何はともあれ実験をする。ブレッドボードを使って簡単に回路を作ってモータを動かす

実験結果のグラフ
 上のグラフは横軸がPWMのデューティ比で、縦軸が時速(スケール換算)である。グラフ中の速度域ではFET(菱形のプロット点)がトランジスタ(四角のプロット点)を上回っている。これは抵抗が少ない分、効率よくモータを回している証拠である。37.5%の時、最大1.2倍の速度差があった。

実験機材
CPU:Atmel AVR MEGA644P
Power MOS-FET:SUP85N15
Photo Coupler:TLP250
Power Supply:スイッチングACアダプタ(12V5A)
Photo Senser:TPS816(F),TLN110

実験緒言
PWMデューティ分解能20000段階
PWM周波数50Hz
センサ間隔80mm
2.5%毎に速度を計測

使用車両:KATO製 阪急電鉄6300系(4両基本セット)内モータ車のみ
使用線路:KATO製 ユニトラック線路(Nゲージ)

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